本とゲームとサウナとうんち

ライターが書くブログです。本とゲームとサウナとときどきうんちが出てくるブログです。

四万円でやる気を買った

 十年ぶりのブログということでちょっとテンションが上がっていたが、最初のポスト以来まったく書いていない。書かなければと思いつつも、何かと理由をつけて書いていなかった。


 これはまずい。このままだと何も書かずに、毎日毎日満員電車で会社に向かい、無味乾燥な記事広告を書き続けていつのまにか歳をとり、何もかもが手遅れになってしまう。ちょっと大げさかもしれないが、本当にこれくらいの危機感を抱いている。にもかかわらず何も書いていないのだからどうしようもない。


 実は何も書いていないわけではないのだ。昼休憩にコンビニのイートインコーナーでメモ帳を広げ、読んだ本の感想をせっせと書いている。書いているといっても、思いついた言葉や文章を脈絡もなく書き連ねているだけで人に読ませられる文章にはなっていない。読み物としてまとめようと思うのだが思考があっちにいったりこっちにいったりしてうまくまとまってくれない。そして、次の日もまたイートインコーナーでメモ帳を開き、昨日と同じような内容を書いては読み直し、書いては読み直しを繰り返し時間が過ぎる。
 メモ帳がよくないのだと思った。思いついたことをすぐに書けるのは良いのだが、すぐに書けてしまうので頭に浮かんだことを余白に書き込んでしまい結局まとまらない。家に帰ってからパソコンを開くのだが、調べ物をしたり動画を見たり、文字を打つ気配がない。そしてゲームをしてしまい時間が過ぎ、いつの間にか深夜の2時。寝る。


 こんな調子で日々が過ぎた。まずい、これはいよいよまずい。何か文章を書く気になる、やる気になれる方法はないものだろうか。そこでとあるツールを思い出したのだ。ポメラだ。


 ポメラとテキストを入力するためだけのツールだ。見た目はコンパクトなノートパソコンだが、インターネットもできなければ、ゲームもできない。ただできるのは文字を打つことだけ。これこそ、今自分が必要としている道具ではないか。最初のポメラが発売されたのは何年前だろうか。当時「これはいい」と瞬間的に思ったのを覚えている。しかし、そのときは購入するまでにはいたらなかった。その理由が縦書きに対応していないから。なぜ当時それほど縦書きにこだわったのだろうか。たしかに小説は縦書きだ。しかし、日々の仕事で縦書きで文章を書くことはない。ましてや当時書いていた自分のブログも縦書きではなかった。しかしその頃はなぜか縦書きこそが自分が書くべき文章である、といったこだわりがあった。テキストを入力するためだけに開発されたポメラを今こそ購入すべきなのではないか。ポメラを買い、それを持ち歩き、とにかく時間があれば文章を打つ。頭にある言葉を人が読める文章にまとめる。そうすれば何か道が開けるはずだ。


 早速ネットでポメラを検索してみた。すると、自分が初めて見たポメラからだいぶ進化を遂げていた。幅26センチとそこそこの大きさはあるが、その分キーボードがしっかりとしている。ディスプレイも大きく見やすそうだ。しかしも縦書きに対応しているではないか。その最新のポメラを見て思った。「これだ、これを自分は買うべきだ。買わなければならない」いったいいくらするのか値段を見てみると、四万円。なるほど、なかなかの値段だ。マジか。ちょっと高くないか。しかし、もうこれ以上ぐだぐだしていられない。今こそが、ポメラを思い出した今こそが自分のチャンスなのだ。そう思うと四万円が安く思えてきた。四万円出してやる気を買ったと思えばいい。やる気なんてそうそう買えるものではない。それが四万円で手に入るのだ。次の日僕はヤマダ電機に行きポメラを購入した(四年間の長期保証付き)。そして、今、この文章をポメラで書いている。さっそく効果が現れたではないか。この調子だ。この調子でとにかく自分の頭の中にある言葉を外へ外へと出していこう。


 うん、やる気がわいてきた。四万円なんて安いもんだろ。